『戦力の逐次投入は愚策中の愚策』
原典はどこか知らない.しかし,非常に有名な戦略上の戒めである.
これは,戦争に限った話ではない.戒められるべきは「テコ入れ」だ.テコ入れする余地があるなら最初からやれってことだ.
『人月の神話』にもあるように,やばくなってから増員したりするのは,「負けフラグ」なのだ.負けフラグが立っても,撤退できないから,泥仕合に突入する.絶対に負けれらない戦いに戦力を惜しむなんてことが禁忌なのだ.
最初から総力戦で,それでも勝てそうにない場合は,素直に撤退したほうがいい.そもそもそんな戦い始めるべきではない.そういうわけにはいかないから話がややこしくなるが,負け試合が始まってしまうプロセスについては,いずれ考えて見ることにする.
戦力の逐次投入が禁忌というのは,プロジェクトでなくて,個人でやる際も同じことだ.
のんびり始めて,途中でやばそうだと気づいて,慌てはじめて,期限ギリギリに辻褄をあわせる.精神衛生上も悪いし,品質も落ちるし,最悪間に合わないこともある.
理想的なのは,最初に総力を突っ込んで勝てる見通しを立てる;それから,サボり始めて期限内に終わらせる.
絶対やらないけど.なぜなら期限間際に余裕がありそうな様子を見せていたら,要求水準が上がったり,手伝わされたりするから.
あるいは,成果物を見る人が,ギリギリになってからしか,成果物をまじめに見ないから;今さら何を言い出すのだということが,どっちにしても起こるので,最初に総力を突っ込むのが無駄だから.
要するにひとりだけが,こんなことを思っていても,意味ないってこと.
- 作者: Jr Frederick P. Brooks,滝沢徹,牧野祐子,富澤昇
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