『コールド・リーディング 人の心を一瞬でつかむ技術』
イアン・ローランド
福岡洋一 訳
楽工社
第1章 サイキックサーカスへようこそ
第2章 コールド・リーディングの仕組み
第3章 理論の検証
第4章 コールド・リーディングをブロックする方法
第5章 補足事項
第6章 販売、恋愛と人間関係、尋問への応用
コールド・リーディングとは、事前の情報なしに相手のことを知っていると思わせる技術体系である。コールドとは、準備がないとか即座のとかいう意味だろう。
どこに使うのかというと、主に占いだ。占い師に自分の情報を当てられて何が面白いのか。しかし、リーディングされる人が知らないことは即座には検証できないので、リーディングされる人の情報を当てるということは、未来などの知らない情報を占う際の信憑性を高めるので重要なのだろう。
コールド・リーディングは、相手に自分は相手のことを分かっていると思わせる印象操作の技術だ。知っていると思わせた情報量とくらべて、リーディングする人が得られる情報は非常に少ない。一度知っていると思わせたら、勝手に情報を出してくれるのだが。情報を得たいと思っている場合には、遠回りな方法に思う。
コールド・リーディングの手法の限界についても記されているので良書だと思う。
販売、恋愛と人間関係、尋問への応用例についても書かれているが、本当に使えるのかはやや懐疑的である。何よりコールド・リーディングの手法を修得するには、相当の鍛錬が必要に思える。一朝一夕で身につく技術ではなさそうなので、本書の内容が役に立つのか、立たないのか書けないのが辛い。