2045年に機械が全人類の知性を超えて、以降人間の追いつけない速度で機械が自立的に進化を始めると言われております。仮にマジでこうなったとしたらどうなるのだろうか?
『ターミネーター』のように機械と人間の戦争が始まるのでしょうか?
完全に自立した機械に人間は必要か?というSF上の重大問題があります。私の意見は、完全に自立した機械は存在し得ないのでこの問は成立しないです。
例えばホーキングといった有名な人たちが、脅威が迫っていると警鐘鳴らしていますが、杞憂でしょう(というか、多分本気で言っていない)。
仮にコンピュータの知性が人間を超えたとしても、コンピュータは人間の道具であることに変わりはないと思います。
その場合、2045年には何が起こるか……
世界王朝が生まれるのではないかと思います。
シンギュラリティを超えた最初の機械知性を所持している人が、世界の王になります。その機械は、みんなの共有財産にはならない。全人類を超えた知性を所有していたとして、どうしてそれを共有するのか。その機械が生む富は、当然所有者が独占するでしょう。機械が富を生むなら、それは資本家による労働の搾取ですらない。
ある企業が、シンギュラリティを超えた機械を発明したなら、その企業の経営者の子孫が代々王族に、その企業の従業員の子孫が代々貴族になるだろう。機械のメンテナンスをする階級が貴族階級である。彼らが、機械知性を独占し、ひいては世界のほとんど全てを所有する。その他は大勢の平民はわずかなおこぼれをもらうだけ。*1
民主主義だって、崩壊する。なぜなら機械の方が人間より賢いのだから。仮に、王政が不満でも革命は不可能だ。全人類が束になっても、機械にはかなわないというのがシンギュラリティの定義だ。
今の政治制度が決して普遍的な制度ではなく、そうでない期間の方が人類の歴史では長い。ギリシャは民主主義国家だったと教科書で習う感じで、2045年以前は民主主義というものが流行っていましたとなることも、十分ありうる。
さて、もし新王朝ができたら何が行われるか?
歴史の改変である。
新しい権力者は、過去の歴史を否定することで、自らの権力に正統性を与えてきた。機械王朝も必ずそれをする。民主主義を否定する。民主主義はいかに劣った制度であったか。それによってどれほど戦争がおき、腐敗した社会になったか。民主主義=衆愚政治というプロパガンダで歴史は書き換えられる。機械知性=神託という神話が作られるかもしれない。いずれにせよ、大化の改新や明治維新とは比較にならない、世界規模の歴史改変が行われるに違いない。
antes de Maquina, despues de Maquinaと前後で時代が完全に変わる。
1000年後の世界に、今の世の真実を残すために、この歴史改変を耐えるような記録を残す必要がある。南京大虐殺があったかどうかとか、従軍慰安婦に軍の命令があったかどうかとか、尖閣諸島がどうかとか、50年前のことですら論争になるのだ。今から歴史を残すことを意図して記録をせねばならない。そうしないと、新王朝の奴らに我々の時代を否定されてしまう。
電子データはダメだ。そもそも1000年も残らないし、機械知性に抹消される。何かしらの方法を発明し、講じるべきだ。
以上、妄想。
仮に機械が人間を超えたならという前提の話。正直私もあんまり信じていません。
*1:つまり、平民は実は今とそんなに変わらないのかもしれない