あなたの感想が聞きたい

それってあなたの感想ですよね?

このフレーズは、ひろゆきの言葉として有名です。このフレーズだけ聞くと、感想だからだめだというようにも聞こえますが、感想を述べること大切だと私は考えています。

もちろん、ひろゆきが感想を持つべきではないと言っているわけではありません。彼の言いたかったことは、意見と事実の混同を避け、それぞれをきちんと識別しましょうということでした。意見と事実の区別は議論における基本的なスキルで、事実の裏付けがない意見は説得力を欠きます。

しかし、自分の意見を持つことは重要です。意見を持つことは、ポジションを持つとも言います。上司に対して「どうしましょう?」という相談を持ちかけたとき、「君はどうしたいの?」と聞き返されることは皆さんも経験があるのではないでしょうか。それは、自分の意見を表明してほしいというリクエストです。

その一方で、意見を持つことは、しんどいと感じることもあるでしょう。なぜなら自分の意見を持つと、自分自身の責任を伴うからです。意見が自由で、何を言ってもいいという状況では、その表現は楽しいものになります。しかし、発言が影響力を持ち責任が伴う場合には、意見を述べることは勇気を必要とします。それでも、責任をもってポジションを持つことが求められます。

責任を拒む態度は、一般的にはあまり評価されません。「どうしましょう?」とだけ聞いて、全てを上司に任せてしまうような姿勢は叱責の対象になります。また、単に事実を並べただけでは、「それで?」という疑問が返ってくることでしょう。

役職が高い人々は、不確実性の中でも迅速な意思決定を行うため、印象だけを頼りに判断することも多いです。そういった人々に対して「それってあなたの感想ですよね」と問いかけるのはあまり意味をなしません。「そうだ。これが私の意見だ。何か問題でも?」という反応が返ってくることでしょう。彼らは自身の責任をもって意見を述べており、その感想自体が重要です。偉い人の意見でものが決まって、組織が動いていきます。結局のところ、意見こそが行動を生む力なのです。

しかし、これは役職の高い人だけでなく、あらゆる人に当てはまります。責任範囲外の事項について無闇に私見を述べるべきではありませんが、自分の責任範囲において意見を持ち、それに基づいて行動することは、責任の一部といえます。そして行動とは、自分の意見が正しいかどうかを検証することです。何かをすべきだという意見を持ったなら、やってみて、実践を通じて確認するべきです。

「意見」という言葉が重たく感じるのであれば、「仮説」と言い換えてみましょう。手元にあるデータや過去の経験に基づき、最も確からしいことを仮説として提示してくだださい。仮説なので、結果的に誤っていることが明らかになっても大丈夫です。あなたの感想でいいのです。それがあなたの意見、感想であることが重要なのです。自分の感想を持って、行動を起こしましょう。