『一生お金に困らない「未来予測」の技術』
一生お金に困らない「未来予測」の技術 (PHPビジネス新書)
- 作者: 菅下清廣
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/08/19
- メディア: 新書
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内容はひどいです。でも、面白かったので感想を書きます。
書いてある内容は、外からは全く根拠のないように見えます。ほとんど妄想といってもいい。当人の経験則なのかもしれないが、自分の感覚にあうところだけいいように解釈しているように思えます。
誰しも事実をそのまま見るのではなくて、自分フィルターを通して解釈します。普通はフィルターを通して見えたものは間違っているから、できるだけフィルターに隠れた事実を見ようとするものものです。しかし、著者のような成功したであろう人は、自分フィルターに絶対の自信があるのか、恥ずかしげもなく持論を展開します。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
という言葉があるが、前者の態度に思えます。もちろん、それで正しいのだったらなんの問題もありません。
しかし、著者のようなスタンスで間違ったことを自信たっぷりに話している人もいます。全部誤りなことはなく、部分的には正しいから、その正しかった部分だけがフィルタリングされて当人には認識されるので、誤っていることにも気づかない。*1
検証していませんが、著者は結果を残していらっしゃるので、正しいと確信して、結果としては正しいことをいっているのでしょう。
過程が正しいとは思いませんが、論理的に未来を予測するなんて無理なので、正しくある必要もありません。ただ、こじつけのような過程を、奥義の開陳のように語っているのが面白いと思いました。
著者の成功との因果関係は理解できませんでしたが、参考になることもありました。
世の中の本当に千里眼を持っていそうな人を「定点観測」することです。自分の考えに合う人を観察すれば、その人の周囲には自分の興味のある情報が集まっているので、情報収集の方法としては効率がいいように思いました。
定点観測した情報を集めた〇〇ファイルを作るというのは、面白そうなのでやってみようと思います。
自分の考えに合う人を観察すると、自分の考えが強化されてしまうので、多様な思考は失われてしまうという問題もありますが。
当面の観測対象は、村上隆と孫正義ですかね。(別に尊敬しているわけじゃない)
*1:自分がそうでないかというのが恐ろしい