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『「権力」を握る人の法則』

「権力」を握る人の法則

「権力」を握る人の法則

権力の法則について,サル学者として興味があるので,調べている.

本書は権力を得るための方法論についての実践的マニュアルである.

権力闘争はよいことだ

明示されていないけど,エラくなりたいと思っている人がエラくなるということが前提としてある.エラくなりたいだけの人がエラくなるのは,良くないのではないかと思っていたが,必ずしも悪いわけではないようだ.

この調査は管理職を対象におこなわれ,仕事に対するモチベーションをおおざっぱに三種類に分類した.第一は「チームワークを重視し,目標の達成よりも人とのつながりを大切にする」グループ.第二は「目標達成を最優先する」グループ.第三は「権力や地位の獲得が仕事上の最大のモチベーションだ」というグループである.調査の結果,組織内の影響力の点でも,目標達成の点でも,最も成功を収めているのは第三のグループであることがわかった.(p.15)

この場合成功の基準が政治力で決定する気もするが,権力志向が組織の成功につながるらしい.

また,意思決定もトップダウンよりも権謀術数の中で行われる場合の方がよい結果となることもありうる.

パワーポリティクスを通じた意思決定の方が,ヒエラルキーに基づく意思決定より効果的な場合もあるというものだった.(p.265)

できる奴がエラくなるわけではない

実績がある人がエラくなるべきじゃないと考えていたが,世の中は私が考えていた以上にうまく出来ているようで,実績と昇進は関係ないらしい.

あなたの仕事ぶりや目標達成度はおなじみの人事評価にも反映されないし,在任期間や昇進にすらさほど影響しないのである.(p.34)

確かに「俺ならもっとうまくできたぞ」とか兵隊に言っちゃう上司は,どう見ても実際やったらできなさそうな場合が多いように思う.そういう人は,声がでかいからエラくなっただけなのに,実績があったからエラいのだと勘違いしていたのかもしれない.

エラくなる人は?

いろいろ書いてあったが,要約すると以下に集約されると思う

  • エラくなりたいと強く思っている
  • コネがある(あるいは作った)
  • 強面で声がでかい

エラくなりたいと思っている人はすでにクソ野郎だと思うが,エラくなるとますますクソになる.

権力を手にした人は欲しいものを何としても手に入れようとする強引な行動が現れ,さらには社会規範や規則を自分だけは破ってもよいと考えるようになるという.(p.237)

多くの研究が,大きな権力を持つようになると自信過剰になり,油断しがちで,ものの見方が硬直的になり,他人の意見や感情を無視するようになるとしてきする.そして,周囲の人間はすべて自分の欲望を実現する手段だとみなしはじめるという.(p.237)

この点,ケースとして挙げられているある経営者は立派で,

自分の犯した失敗や判断ミスは必ず公の場で認めるようにした.(中略)データと分析を重視する意思決定プロセスを徹底させ,誰が決定を下したかではなく,データに基づいて下したかどうかを問題とした.(中略)無関係の第三者に意見を求めること,社内でもオープンな議論を促すこと,定期的に厳しい自己批判の時間をとることで対処している.

こういう人は権力者という意味でなしに偉い.